ようふく

寝巻き代わりに来ているTシャツを見ると所々小さな穴が開いている。
よくみなければわからないし其れこそ手にとってみてみなければ気がつかないくらいだろう。産業革命以降洋服の、と言うより布地や縫製の値段は下がり続けた。もちろん例外の高級品はあるだろうが一般市民が買うようなものはこの国では余って捨てられるレベルにいたった。
他の国については知らない。
今着ているものも10年以上着ている。もともとの色が白地にワンポイントで中央に模様が入っただけのものだから色落ちも目立たない。まぁ中央の色は既に無くなって限りなく白に近い色になってしまったが。それ以上にくたびれていない。無精者の私は少ない服を何回も繰り返し着てしまうがそれでもだ。何回も何回も洗濯機に掛けられ日に干されを十年以上繰り返され回数にして少なくとも300回は繰り返されても洋服としての機能は目減りしていない。こうなるとよほどの洒落者か買い物狂でもない限り新しいものに買い換えることはしないだろうし現状余るくらいなのだから買い足しもしないだろう。ちょっとしたお洒落用に買ったとしてそれほど痛むわけでもないし着る回数が減ればその分痛む可能性も減るわけだ。虫に食われたりはするだろうが。
そう考えるとユニクロのような商売も国内では先が細いんじゃないかと。
国外でもどうなんだろう?例えば年中Tシャツを着るタイのような暑い国でもその内余るようになるんじゃないだろうか。通年で着る国ではTシャツの品質が高いと聞く。客の目が肥えるからだそうだ。
今はまだ所得の関係で隅々まで出回らないとしてTシャツの耐久性を考えるに十年二十年は滞留する。これはその内たまのお洒落や気まぐれで買われるようになるのではないか世界中で。もしくはコレクション用のグッズとして。
そうなると服飾業界も統廃合が更に進むのだろうなぁ。