3DプリンタとアニメTシャツ

http://ggsoku.com/2013/02/3dprinter-dream/
よく語られる未来すげぇ的な話題って3Dプリンタの場合何故に
コイン精米機や写真現像のDP店のような発想になってしまうのかな?
FabLabにしたってそれってホームセンターの加工サービスとどれだけ違うのと思ってしまう。
今現在あるものの名前だけ変えて凄いだろうって言われてもなぁ。
現状を代替しうるって話ですらないし。
上の記事ではエプソンと比較してるけど世界シェア50%と比較してもなぁ。しかも既にインクジェットプリンタってコモディティ化してるし利益薄いしそもそも株価ってってな話しだし。

エプソンの話も出したし家庭用プリンタが普及した事について。
プリンタが普及してからどうなったか。
今までコンビニのコピー機くらいしか紙に印刷する術はなくてそれ以前だとガリ版とかプリントごっことか。
デジカメの普及とともに写真画質だぜヤッフー!!
で、気づいた訳だ。そんなに普段印刷しねぇって。
写真はデジタルデータのまま保存。
たまに印刷したければコンビニでも近所のDP店でも薬屋のDP注文機でもいいしコストや置き場所を考えればそっちのほうが楽だ。
布地にインクジェットプリントできてもオリジナルTシャツブームは起きていないし、そもそもTシャツのデザインは現状店に呻くほどある大量に。

大概の大多数の人間は量産品で間に合う。
人間の形がそう変わらないのなら人が使いやすい形もそれほどブレない。
傘の進化の度合いを考えるとそういう事だろう。
折りたたみ傘はそうでない傘を代替しきれないし。

ガジェット通信であげられている3Dプリンタの課題として銃の製造や著作権の問題が挙げられている。
けどそれって今までの話がガラッと変わるってわけじゃないよね?
著作権にいたっては同人の問題で散々議論されてきたし銃にいたっては既に密造で国内でも数件摘発事例がある。
ホームセンターで買える物資で作れるし町工場以下の設備で作れる。
でなければフィリピンのゼブ島やパキスタンのパシュトゥン人地区での密造銃村なんてものが成り立つわけがないじゃないか。
著作権の問題にしてもそうだ。
ソフトウェア関連は散々話が出尽くしてる。画像音楽プログラム。劣化しないしコピーしやすい。
立体の分野でも前例は多い。
ガレージキットの分野もそうだしワンダーフェスティバルなんかはいろいろ試みてる。
けど結構皆自分で作ろうと思わないよ、だって面倒くさいんだもの。
彩色済みフィギアが何で売れているのか考えようぜ。
エロく改造されたフィギアがヤフオクで取引されている事実も含めて。

クリス・アンダーソンが引き合いに出されていたのでググってみる。
http://www.gizmodo.jp/2012/11/interview-with-chris.html
読んで思ったのが個人がというより個人商店がもしくは小規模な会社がって話が合うような気がする。
だとしたら此の分野で日本はある意味先んじているのかもしれない。
此処で表題にあるアニメTシャツの話が出てくるわけだ。
同人・アニメグッズの分野は昔に比べて凄く出しやすくなってきている。
敷居が下がったというべきか。

ある程度の数が見込めるなら作ってみてもそれほど損害を気にしなくてもいい程度にはなってる。
これが昔なら工場の調整とかロット数とかでだいぶ大変だったろう。
印刷技術の発展やTシャツ自体の安定供給のおかげである程度少なめ(たとえ1000に満たなくても)の数でも個人でも発注できるのが今だ。
Tシャツ オリジナルでググレばソレを請け負う会社がごろごろ出てくる。

同人誌同人ソフトもそうだろう。
個人で発注できる印刷所にCDのスタンプ。
あまりにも小規模な場合は自分でCD-Rに焼いたりコピ本を製本したりだけれども個人でも「ある程度」の数を出せるし取引が出来るって事が変わった事なんだろう。
商業同人問わず「ある程度」の数を見込んだグッズ展開や製作。
そしてそれらを支える販売網、通販にデータ販売も含めて。

立ち戻って3Dプリンタの普及で何が変わるか。
個々人よりもそれらのバックボーンを支える企業群がまず大きく変わるんじゃないだろうか。
3Dプリンタとその周辺技術は個人用よりも業務用分野で小ロットに対応しやすくなるんじゃないだろうか。
シリコン型取りと共にガレージきっと文化が花開いたように例えば彩色済みフィギアを個人でワンフェスに出品したり。

それでも個人用のプリンタで社会が激変する可能性も思い浮かばないでもない。
半導体の印刷だ。
インクジェットになるのか3Dプリンタになるのか分からないけど電気回路を簡単に印刷できたら?
AMラジオくらいなら可能か?じゃあFMは?トランシーバーは?他の通信機やデジタルがジェットは?
もしこれが可能ならソレこそ世界は激変するだろう。