朝起きて冷たい何かが顔に当たると思ったら腕だった。

自分の。薄っすらと目が覚めかけて顔に当たる何かを確認する。さて、この冷たいものは何だろうと考えた。薄いノの字のぬいぐるみのようなそれでいて何か肉のようなこれは何なのだろう。少し目を開けて寝ぼけた頭で見てみると次第にそれが自分の腕である事に気付く。何をどうしたのか酷い寝相で血流が阻害されよう足が痺れたような状態になった自分の右腕が見えた。ああ、これは拙いと肘から下の感覚が無い右腕の位置を治して少しぞっとした。ああなるほど腕が無くなるというのはこういう感覚なのかもしれないなぁと。感覚を取り戻すにはまだ少し時間のかかる右腕を見ながらそう思った。