存在感の薄さ

元日は寝て過ごした。それはもうぐっすりと。
例年なら父親と一緒に初日の出まいりに行くのだが今年はもういいやと。
去年を思い起こす。
本当なら年末にやっておくべき事なんだろうけどまぁいいや。
まぁご近所付き合いも大切だなぁと思い。
道であったら挨拶して会釈して愛想も多少なりとも振りまいていたわけだ。
久しぶりに東京から帰ってきた弟と父と浜に初日の出を拝みに行く。
浜には各自治体の焚き火の集落が出来ていて、明けましておめでとうございます、
とこうなるわけだ。
弟と違い毎年顔を出している私に対して言われた言葉が
「弟君の友達?」だ。いやいや長男長男。
私の行動はむしろ目立つ方だと思う。
髪の毛を赤くしたり、派手なアロハ着込んだり。
犬の散歩に行けば挨拶を交わし二言三言の世間話を交わし。
近所のタバコ屋で煙草を買い。
十年近くはそういう風に過ごしたわけだ。
それでも記憶に残っていない。
これは多分に自分の持つ何かだろうとは思うが、
もうこれ以上どうしようもないだろう。
学生時分に派手な格好をしてやっと人並みに認識されていて、
それでも眼前にいる教師から「あいつは休みか?」などといわれていた人間だ。
たぶん不審者としてすら認識されていないんじゃなかろうか。